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2023年 年頭のご挨拶     公益社団法人滋賀労働基準協会 会長 竹 内 清 秀

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は滋賀労働基準協会の事業運営にあたり、関係行政機関、諸団体ならびに会員事業所の皆様方には多大なる御理解と御協力を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます。当協会の活動は昨年も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け予防のため何かと制限が多く苦難続きの一年でしたが、お蔭様で無事に遂行することができました。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と感謝しております。本年も引き続きご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
 OECD(経済協力開発機構)の調査によると年間平均労働時間(2021年実績)は世界平均1,716時間、日本1,607時間(世界27位)、メキシコ2,128時間(世界1位)、アメリカ1,791時間(世界12位)で、我が国は世界に比べると、やや少ないとの報告ですが、これは育児や介護等で多くの女性や高齢者が短時間労働で働かれている事実を反映していると分析されています。昨年の滋賀県内ではサービス残業(残業代不払い)や過剰な時間外労働が散見され、労働局から改善の必要性を指摘されました。労働安全衛生上、企業として「予見(労働者の体調不良)」と「結果回避(体調不良予見された場合に産業医などに繋ぎ最悪の事態を回避する)」の安全配慮義務は基本中の基本であることを再認識してほしいと思います。
 また非常に残念なことに労働災害で県内死亡者数は10件(昨年11月末)と増加し尊く若い命を失ってしまったことは誠に無念です。滋賀労働局長からも緊急通達指導をいただきましたことは痛恨の極みです。今後、日本は少子高齢化が進み労働力は先細りするなかで外国人労働者への依存率も高くなること(特定技能制度の整備も必要ですが)、それと共に経験豊富な高齢者の働く機会も増加してくることと思います。企業にとりましてはDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上や働く人の希望に応じて働ける時間を柔軟に調整できる職場環境の整備、すべての労働者が安心して安全に働ける職場の安全衛生管理が重要な責務であります。本年も労働災害ゼロを目指し、県内各事業所で取組の強化をお願いしたいと思います。
 当協会と致しましては、働く人が幸せや豊かさを感じながら働ける環境づくりと「労働災害ゼロ」にお力添えできますよう「鳶目兎耳」の姿勢で鋭意努力する所存です。最後に会員事業所の皆様や関係行政機関、諸団体の皆様の益々の御発展を祈念致しまして年頭のご挨拶とさせていただきます。